『紅の夢』青森県弘前大学が生んだ奇跡の中が赤いリンゴ。
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特徴のある経営をする農園メディア「農園百貨」編集部です。
今回は、官学連携で弘前大学が育成した果肉まで赤いりんご「紅の夢」と、その農業経営ノウハウをご紹介します。
果肉まで紅く美しいリンゴ「紅の夢」とは
紅の夢(くれないのゆめ)は、外見は普通のリンゴ。しかし、中には鮮やかな赤い果肉があります。これまで、生食が可能な赤肉品種は報告がほとんどないことから、注目を集めています。
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弘前大学育成の果肉まで赤いりんごとして農水省に品種登録
弘前大学農学生命科学部附属藤崎農場で行われた、リンゴの育種プロジェクトによって誕生した新品種のリンゴです。全国で生産されているりんごの約50%以上を占める「ふじ」が誕生して70年、「多品種化時代を生き抜く特徴あるりんごを!」をコンセプトに「紅の夢」は2010年に、弘前大学育成の果肉まで赤いりんご第1号として農水省に品種登録されました。
赤い果肉にはからだに良い成分が
紅の夢の最大の特徴は果肉が赤く着色することです。これまでの赤肉品種は「渋くて生では食べられない」という問題が克服され、酸味のきいた生食ができるおいしいりんごです。
赤い果肉は、天然の赤色色素であるポリフェノールの一種「アントシアニン」にあります。これは、抗酸化作用があり人間のからだに良いとされています。通常はりんごの皮に存在しており、皮をむいてリンゴを食べる習慣のある日本人は、この栄養価の高い部分をすてています。
紅の夢は、大事な「アントシアニン」が果肉に存在し、皮をむいても摂取することができます。
偶然が生み出した「紅の夢」
赤い果肉のリンゴが誕生したのには、2つの経緯があります。
1つは、紅玊に予想外の花粉がついたことです。ミツバチがなにかのいたずらで別の樹の花粉をもってきて、紅玊についてしまいました。
2つ目は、赤くなる品種が日本にきたことです。偶然ついた花粉の樹は、皮も果肉も黄色いりんごのはずでしたが、輸入する際に入れ替わったのか、果肉が赤くなる樹が日本にやってきました。
実は弘前大学農学生命科学部附属藤崎農場は世界的に有名な品種「ふじ」が生まれた土地もあります。
藤崎農場では、そんな歴史的な土地で新時代にマッチした新たなリンゴ品種をつくるべく昭和56年から研究をしていました。
当時の弘前大学では、職員が減っており、空き地が増えてきた農地の空きスペースを埋めるために、塩崎雄之輔弘前大学教授がリンゴの育種(いくしゅ)をはじめたのがきっかけでした。
当初は紅玊に「スターキングデリシャス(アメリカ生まれのリンゴ品種)の花粉を授粉した結果できたものと考えていました。
しかし、赤玉・スターキングデリシャスの交配では赤い果肉のりんごが生まれた事例の報告がないことから、DNA鑑定をおこない、「スターキングデリシャス」は育種親ではないことが判明します。
紅の夢の父親は誰?
DNAを詳しく調べると、藤崎農場のエターズゴールドというラベルの樹が父親であると判明。しかし、生まれ故郷のアメリカに問い合わせたところ、本物のエターズゴールドは果皮も果肉も黄色だという回答を得ました。つまりエターズゴールドではありませんでした。
恐らく日本に導入された時点で、本物のエターズゴールドが枯れて、台木につかわれていた実生が育ったと考えられています。結局、木の種類は分からないまま。名前の無い木が、どこかで紛れ、気まぐれに研究に手を貸して、紅の夢は生まれました。
調理用としても好評!
紅の夢のウェブサイトには、調理用としてリンゴのタルトが紹介されています。着色料なしでキレイな赤いリンゴのタルトをつくることができます。見た目も美しく、女性にも人気。さわやかな香りとシャキシャキした食感が楽しめます。生産者がひらく食イベントでも、おかしに紅の夢を使用されています。
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この色が赤くなるところは、商品開発にも相性がよく、青森県平川市の加工会社と共同で「かっとりんご」の開発も行っています。
他には、果皮をつかわなくても美しいピンク色になるジャムや、ピンクが際立つジュースも好評です。
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購入方法
Yahoo!ショッピング、楽天市場のオンラインショップで購入することができます。現在は売り切れているようですが、2018年11月中旬には出荷予定と記載されています。